膝の痛みがあると、日常生活もままならないことがあります。
歩行に支障が出てしまうと、膝をかばうようになり、あらゆることに消極的になってしまうことは考えられます。
痛みが無くなったら、あんなことができるのに。と想いを馳せることもあると思います。
40歳以上の男女に
『膝の痛みがなくなれば、どんなことをしてみたいか』アンケートを実施しました。膝の治療法についても解説しているので、合わせてご覧ください。
【質問】 膝の痛みがなくなれば、どんなことにチャレンジしてみたいですか?
【回答数】
孫と一緒に外で遊びたい : 3
たくさん旅行に行きたい : 19
毎日散歩を楽しみたい : 16
ゴルフやゲートボールなどの趣味に熱中したい : 10
その他 : 32
痛みはない : 20
膝の痛みがなくなれば、激しいスポーツにチャレンジしてみたい!
アンケートの結果、その他に回答した人が3割にのぼりました。
- ・膝のことを考えると負担の少ない水泳や水中ウォーキングなどのスポーツを選択しがちなので、テニスなどもっとアクティブなスポーツに挑戦したい。
(40代/女性/専業主婦(主夫))
- ・膝の痛みが完全になくなれば昔からの友人を誘って長距離サイクリングをぜひとも楽しみたいと思っている。
(60代/男性/派遣社員)
- ・膝の痛みがなくなったら、以前のように登山に妻と行きたいです。山はいいですよ。
(50代/男性/公務員)
- ・死ぬまでに一度フルマラソンを体験してみたいと思っているので、ちゃんとランニングを習ってみたいのです。
(40代/女性/専業主婦(主夫))
- ・若者みたく、スケートボードやスノーボードなど膝を使うスポーツをやってみたい。
(40代/男性/正社員)
特にチャレンジしたいことはなく、日常生活の行動範囲が広がれば、それで十分満足だという意見も多少ありましたが、大多数は
何かスポーツを楽しみたいという声でした。
スポーツの内容については実にさまざまで、若い頃にやっていたスポーツをもう一度という人や、まったく経験のないスポーツをあげる人も多かったです。
自分自身の子供が運動する姿やテレビでスポーツ観戦をする機会があると、自分も膝の痛みがなければ…と体を思う存分動かしたくなるのかもしれません。
膝に違和感はあるが、生活に支障がでる痛みはない
アンケートによると、次に多かった回答が
『痛みはない』というもので、全体の2割の人にあたります。
- ・特に痛みはありませんが、周りで痛いという人たちは運動が思うように出来ず悩んでいました。
(40代/女性/個人事業主)
- ・時々痛くなりますがそれほどでもありません。加齢のせいもありますが逆に膝だけに負担がかからないストレッチなどをすると良くなります。
(50代/男性/個人事業主)
- ・たまに痛むくらいで、まだそこまで激しい痛みはないので、したいなと思うことは一応できています。
(40代/ 女性/専業主婦(主夫))
- ・スポーツに興味なく、日常生活に支障がなければ、それで問題ないので
(40代/女性/正社員)
- ・過去に痛くなった時に、これはマズイと思い、体重を減らしました。
(50代/女性/無職)
多少の痛みはあるが生活に問題がない、または今のところ痛みがないと回答している人が全体の2割です。
逆にいうと、40歳を過ぎると、何かしら膝に痛みを抱えて、やりたいことが満足にできないと感じている人が8割近くもいるということになります。
実際のところ、膝に痛みがでてきてしまった場合、やりたいことは諦めて残りの余生を過ごさないといけないのでしょうか?
専門家の総括
軽症であれば保存的治療
緊急を要する場合でない限り、まずは急性の腫れや熱感を伴う場合には冷やして炎症を抑え、
テーピングやサポーターなどで膝の動きを補助しながら様子をみることになります。
痛みが強い場合には
薬でコントロールを行います。炎症が治まったり、炎症が認められないときには膝を温めることで
血行を促進させ、症状をコントロールします。
不必要に膝を使う
生活習慣を改める必要がありますが、全く動かないでいると、他の筋肉も衰えてしまい逆効果です。
なるべく膝に負担をかけずに
膝を支える筋肉をトレーニングする方法を指導されるでしょう。
O脚がある場合、
膝の内側に負担がかかるので、そうならない装具を装着するなどして様子をみることがあります。
保存療法で効果がなければ手術も視野に
膝に負担のかからないトレーニングを継続することで、
損傷した軟骨が修復することに期待ができますが、実現しなかったケースでは、
手術療法を考慮することになります。
実際のところ、
手術をするか保存的療法で様子をみるべきか、キレイに線引きができるわけではありませんから、判断が非常に難しいところです。
手術も以前に比べて体への負担が少なく行えるようになりましたが、リスクが全くないわけではありません。
そのため、手術までにならないように、膝の症状や生活環境などトータル的に考え、
自分にあった対処法を身につけられるようにすることが大事というのが医師からのアドバイスになります。
【アンケート概要】
- 調査地域:全国
- 調査対象:【年齢】40 − 49、50 − 59、60以上
- 調査期間:2017年05月11日〜2017年05月25日
- 有効回答数:100サンプル
- 調査企業:株式会社ウィルゲート
執筆者:冨澤英明医師(東京蒲田病院整形外科勤務)
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患者様に向き合う現場を15年以上経験するドクター。地域に根差した医療を行うことで地域の皆さまからも信頼をされ、常に患者様・ご家族の目線に立った治療を行っている。