年齢を重ねて出てくる痛みの一つに、
膝の痛みがあります。
痛そうに膝をかばいながら歩くお年寄りや、
階段を辛そうに上り下りする高齢者を目にしたことがある人も多いでしょう。
そして、痛みが出てくると、ついつい
「俺も歳だな…」と老化のせいにしてしまう人が多いのも事実です。
膝の痛みが出たときの
正しい対応の仕方とはどのようなものなのでしょう?
膝の痛みが出始めた年齢についてアンケートを実施しました。
【質問】膝が痛み始めたのは何歳くらいの頃でしょうか?
【回答数】
20代〜30代前半 : 14
30代後半 : 26
40代前半 : 29
40代後半 : 11
50代以上 : 20
40歳になると膝の痛みが出てくる人が一番多い
アンケートの結果、
40代の前半でひざに痛みが出始めたという回答が一番多く、約3割にのぼります。
- ・今40代ですが、40代前半から少しずつ始まってきました。
(40代/男性/経営者)
- ・学生時代にバレーボールをしていた時の古傷が年齢を重ねて痛んできたから。
(40代/女性/専業主婦(主夫))
- ・仕事で痛めてから調子が悪くなり、良くなることもありますが無理すると痛みます。
(40代/男性/パート・アル バイト)
- ・長時間、歩いたあと、さらに階段の上り下りの際、痛むようになった。
(40代/男性/正社員)
- ・41歳で、ひざを骨折した後に、リハビリしたのですが、痛みが中々取れない。
(40代/男性/正社員)
- ・40歳になった年に、階段を下りていて膝に痛みを感じるようになりました。まだひどい痛みではないものの、 老化を感じました。
(40代/女性/パート・アルバイト)
40歳になると
何の前ぶれもなく膝の痛みが始まったという人半分、昔や今現在に
ケガや骨折をしたことが原因で痛み始めた人半分という印象です。
急激に痛みが始まるということは少ないようで、まだ生活の質を損なうまでには発展していないようですが、
階段の上り下りには不便を感じ始める人もいます。
30歳の後半ですでに痛み始める人が4分の1
アンケートの結果、40代前半に続いて多い回答が
30代後半です。
- ・椅子に座る時に無意識に足を組んだりしていたのですが、30代後半から組んだ足をほどいた後に歩くとき膝が痛くなりはじめました。
(40代/女性/個人事業主)
- ・30代のときから、膝が痛むようになりました。それは本当にじわじわと来たので、理由がわかりません。
(40代/女性/専業主婦(主夫))
- ・体のために長年ジョギングを続けていましたが、30後半に差し掛かったころから膝に痛みを感じるようになり、40代になってからはジョギングを続けられなくなりました。
(40代/男性/正社員)
- ・運動不足をするため、ウォーキングを始めた途端、腰と脚を30代後半に傷めました。
(40代/男性/正社員)
- ・体重が有り、ランニングも好きで2回度しているので、ランニングした日は膝が傷みます。
(40代/男性 /正社員)
30歳後半という若さで、すでに
膝に痛みを抱える人が多くいました。
40代前半では
突然に膝の痛みが現れたという人が多くいたのに対し、30代後半では、ジョギングやウォーキングなど
運動がきっかけで痛みだすという声が多い印象です。
30代前半よりも若くして膝に痛みを抱えるケースもあり、
40歳後半、50歳を過ぎてからという回答も多くあります。
膝の痛みについては、全体的に回答ががばらける結果といえるでしょう。
専門家の総括
膝が痛い原因は何だろう?
アンケートの回答でも多くみられるように、スポーツや日常生活において
「膝を使い過ぎる」ことが一番の原因です。
年齢が若い場合は
膝を支える筋肉や靭帯を損傷する「靭帯損傷」や
クッションの役割をする「半月板損傷」を起こしたりします。
年齢が高い場合は、
骨と骨の間の軟骨がすり減って「変形性膝関節症」を起こすことが膝が痛くなる主な疾患です。
他にも
O脚やX脚によって膝に負担がかかったり、
運動不足による筋力の低下や体重の増加などが膝に負担をかけることになります。
膝に痛みが出たら、どうしたらいいの?
筋肉痛や打撲による場合は
脚(膝)を休ませることで痛みが治まります。熱感があったり、腫れがある場合には
患部を冷やします。
テーピングで固定をするのも歩きやすくなるので効果的です。スポーツをしている人は痛みがひくまで、しばらくお休みしましょう。
2週間もすれば痛みがひくはずですが、痛みが軽減する様子がない場合には、
整形外科を受診してください。
痛みがひどい場合、高齢者の場合は、無理をせずに早めに受診をしてください。
膝の痛みが強くなると歩行に支障がでることになるので、日常生活を大きく損ねる可能性があります。
したがって、特に年齢が高い場合、症状がひどくなるのを待つのではなく、
違和感を感じた時点での対処が必要です。
痛みが軽いからと無理をしがちですが、ご自分の体と相談して生活するようにすることが大事です。
少しでも気になることがあったら医師に相談すること大事というのが、医師からのアドバイスです。
【アンケート概要】
- 調査地域:全国
- 調査対象:【年齢】40 − 49、50 − 59、60以上
- 調査期間:2017年05月11日〜2017年05月25日
- 有効回答数:100サンプル
- 調査企業:株式会社ウィルゲート
執筆者:冨澤英明医師(東京蒲田病院整形外科勤務)
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患者様に向き合う現場を15年以上経験するドクター。地域に根差した医療を行うことで地域の皆さまからも信頼をされ、常に患者様・ご家族の目線に立った治療を行っている。