シミ・そばかすに対するセルフケアを長期に渡ってしていても、
なかなか消えないという方もいらっしゃいます。
市販の薬を長期的に服用していて、肌のターンオーバーが正常化されているにも関わらず
「シミが薄くなっていない」と悩んでいるという方も実は多いのではないでしょうか。
そんな時、まず疑うべき症状としてあるのは、
しみではなく「あざ」であるという可能性です。
色や大きさなどから「明らかにシミやそばかすではない」というあざもあれば、素人が見ただけでは
「しみなのかあざなのか非常に見分けがつけづらい」というものもあるということを知っておきましょう。
「太田母斑」や
「後天性真皮メラノサイトーシス」など
手術やレーザー治療を受けなければなければ消すことができない症状というものがあります。
太田母斑
主に顔に出現することが多い褐青色色素沈着で日本においては
人口の0.1〜0.2%という高い頻度で起こっている症状です。
男女比は1:5と
女性に症状が出ることが多いあざとなっています。
出生時〜1年以内に症状が出ることが半数また、10〜20歳ごろまでに症状が出ることがもう半数であると言われています。
幼児期に出て自然に消える
「蒙古斑」とも似ているものの、蒙古斑のように自然に消えていくということはありません。
後天性真皮メラノサイトーシス
太田母斑に似た症状ではあるものの、こちらの症状の場合には
20歳以降に出てくるというのが大きな特徴です。
基本的に幼児期に発症することはありません。
額やこめかみ、頬、目、鼻などの周辺に淡褐、灰褐、淡紫褐色の色斑が出ることが特徴となっています。
色にもバリエーションが豊富であるほか、大きさ、濃さなどもさまざまとなっていて、
小さなシミのようなものが複数できることもあれば、
色斑が多数できることによって地図上の大きなあざとなって現れることもあります。
大きなものからごくごく小さいものまでを含めれば、恐らく日本の女性のほとんどに後天性真皮メラノサイトーシスの症状があるのではないでしょうか。
また、
顔以外にも後天性真皮メラノサイトーシスが現れることが確認されています。
掌や上腕にしみのような症状があって、なかなか症状が改善しないという場合にもあざの可能性を疑ってみる必要はありそうです。
消せないシミのまとめ
こちらで紹介している症状の場合、シミやそばかすができる肌の浅い層ではなくより肌の深い層で症状が起きていることから薬の内服や、外用薬を塗るといったことだけでは効果が期待できないということになります。
より専門的な治療を受けることが必要となりますので、皮膚科を受診し専門医に相談することをお勧めします。
【参考文献】
- 参考文献:「太田母斑と後天性真皮メラノサイトーシス」肥田野 信(東京女子医科大学皮膚科)