【お肌のプロが徹底解説】シミやそばかすの原因や予防

カテゴリ:しみ・そばかす

【お肌のプロが徹底解説】シミやそばかすの原因や予防
お肌の敵といえばシミやそばかすですよね。
「目立つ場所に出来てしまったシミがいつまでも消えなくて気になってしょうがない…」、 そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

シミやそばかすといった肌トラブルを防ぐには、しっかりとシミが出来る原因や予防・対策についての知識を持っておくことが重要です。

そこでお肌とシミの専門家である芋川玄爾先生に、お肌の構造やシミが出来る原因、シミが発生するメカニズムなどについてお話いただきました。

芋川玄爾先生

医学博士
芋川 玄爾先生

 【芋川先生 プロフィール】
名古屋大学工学部応用科学修士課程修了後、花王株式会社研究所を経て、 神戸大学医学部皮膚科研究生となる。同大で医学博士を取得後、大学医学部にて非常勤講師を歴任。
2007〜2012年に東京工科大学応用生物学部教授に就任。
2010年4月から現在まで中部大学・生物機能開発研究所・客員教授として研究・教育で活躍中。
現在日本色素細胞学会理事、セラミド研究会顧問、加齢皮膚医学研究会幹事、日本加齢医学会評議員、光老化研究会世話人、白斑研究会世話人、日本皮膚科学会会員、日本研究皮膚科学会会員
専門分野:色素沈着メカニズム、光老化メカニズム、乾燥メカニズム、セラミドの機能と代謝メカニズム

肌表面角層内の重要な成分である「セラミド」の保湿機能の発見者であり、皮膚科学研究の第一人者として研究を続けられているお肌のスペシャリスト

そもそもお肌の構造ってどうなってるの?

お肌の構造は「表皮」「真皮」、その下の「皮下組織」の3つに分けられます。

「表皮」とは?

表皮は「角層」→「顆粒層」→「有棘層」→「基底層」の4つの層から形成されている、厚さ約0.2mmの薄い膜です。
なかでも「角層」は約0.02mmと非常に薄い膜なのですが、 お肌を乾燥から守る重要な水分保持機能と、外からの刺激物質の侵入を防ぐバリア機能を持っています。

この角層の機能が過度の洗浄や紫外線・さらには加齢などによって低下し、乾燥してバリア機能が正常に働いていない状態が「敏感肌」で、お肌にかゆみを生じやすく、 刺激からも弱くなっています。 ちなみに、シミの原因となるメラニン顆粒を生成するメラノサイト(色素細胞)は、表皮の一番下の「基底層」に存在しています。
メラノサイトが産み出したメラニン顆粒は、同じ基底層にあるケラチノサイト(角化細胞)に取り込まれます。

ケラチノサイトは1日1回ほど分裂しつつ、徐々に基底層から有棘層、顆粒層そして角層へと分化していきます。
最後に角層細胞へと分化したケラチノサイトが、垢となって剥がれ落ちる一連の流れがターンオーバー(お肌の生まれ変わり)と呼ばれています。 これが一定の日数で繰りかえされるのが表皮の正常な状態です。 ケラチノサイトが分裂する頻度は大体夜中の2時頃が最も活発ですが、その人の生活リズムによって変化します。

「真皮」とは?

真皮は表皮よりも下に存在し、表皮に比べて約10倍の2mmほどの厚さがある組織です。
真皮は約70%のコラーゲンと、約20%のエラスチンなどの線維成分、その他ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、フィブロネクチンなどの基質成分で構成されています。

各成分は真皮の中にある「真皮線維芽細胞」という細胞によって作り出されます。
転んで擦りむくなどして皮膚を損傷し、真皮にまで傷が到達してしまうと線維芽細胞が増殖し、コラーゲンが過剰に産生されてしまって軽いケロイドである「瘢痕(はんこん)」が形成されます。
コラーゲンが過剰に産生された影響で皮膚が硬くなる皮膚病としては「強皮症」が知られているなど、コラーゲンの過剰な産生は皮膚にとって良いことではありません

シミやシワの原因って?

シミの主な原因は太陽からの「紫外線」

シミやシワは様々な要因によって発生しますが、その中でも主な原因となるのが「紫外線」です。
何故紫外線がシミ・シワを引き起こしてしまうのでしょうか?

簡単に説明すると、太陽からの紫外線・特に中波長の紫外線「UVB」がお肌に当たることによって、 シミの元になる黒色の「メラニン顆粒」が色素細胞(メラノサイト)で大量生産されます。
大量生産されたメラニン顆粒が表皮細胞(ケラチノサイト)に受け渡され、表皮全体に分布することにより周りの皮膚より色素が濃いシミなって見えてきます。

更に紫外線は肌の光老化も引き起こしてしまうので、シミ以外にもシワ・乾燥・ハリのなさなどの症状が出やすくなってきてしまいます。

紫外線の種類によって肌への影響が違う!?

紫外線には複数の波長があります。
中でも「UVA」という波長は、長波長のため表皮を通り越し真皮にまで到達する波長です。
真皮は肌の下方にあるためすぐに目立ったシワにはなりにくいものの、 お肌の中ではエラスチンの障害がどんどん蓄積されていってしまい、長期間かかってシワを作ってしまいます

「UVB」という波長は「UVA」と違って真夏の太陽下で10分以上浴びてしまうとお肌が目に見えて分かるほど赤く腫れてしまいます
これは「UVB」が中波長のため、UVAよりエネルギーが高く、表皮細胞に障害を与えて、肌が赤くはれる原因である「炎症性因子」を沢山作らせるためです。

お肌が赤く腫れ、「紅斑」と呼ばれる症状がおきるのは紫外線にあたってから約数時間後で、24時間後にピークになるといわれています。 この紅斑は数日で消えるのですが、4−7日経つと紅斑があった部位の色素沈着が徐々に強まり、黒化してきます。
これは「炎症後色素沈着」と呼ばれるシミです。 個人差もありますが、「UVB照射による炎症後色素沈着」は20歳だと20〜30日程度で完全に消失します。 しかし30歳を超えるとシミが消え去るまで120日以上かかることもあり、推定では40歳を超えるとできたシミが完全に消えるまで1年以上かかることになります。 加齢によりシミが増える一つの要因として、できたシミが消えにくくなることがあげられます。

紫外線の対策は?

シミやそばかす・シワなどの肌トラブルを防ぐためには、基本的には紫外線をガードすることが重要です。 日焼け止めはもちろん、日差しが強いときには日傘やサングラスなどで対策するのがオススメです。 また「うっかり日焼けしてしまった!」という場合には、しっかりとしたアフターケアを心掛けましょう。

シミが発生するメカニズムって?

シミは主に紫外線などの外部刺激によって発生します。 それではどのようにしてお肌の中でシミが出来るのかご説明します。

1.お肌を守るために「メラニン」を大量生産する

お肌は紫外線などの外部刺激を受けると、肌の細胞を守るために「メラニンをいつもより多く生産しろ」という命令をメラノサイトを送ります。
この命令に対して、メラノサイトの中にある「チロシナーゼ」という酵素の産生が亢進し、酵素反応が促進されます。 チロシナーゼはメラニンの元になるアミノ酸である「チロシン」という成分を酸化させ、メラニンを大量に生産します。

2.大量の「メラニン」を吸収し、肌の表面へ運ぶ

チロシナーゼによって大量生産されたメラニンは、周囲にある細胞「ケラチノサイト」にどんどん貪食されて細胞内に入っていきます。 メラニンを大量に含んだケラチノサイトは、そのままお肌の表面である「角層」まで上がって行きます

3.肌の表面が黒ずんで見え、シミとなる

表皮細胞に取り込まれたメラニン顆粒が表皮全体に分布してはじめて肌の表面が健常部位に比べて黒ずみ、シミと認識されます。
メラニン顆粒を含んだ表皮細胞はいずれはお肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」によって角化し垢となってはげ落ちるので、 紫外線に当たらなくなれば、メラノサイトによるメラニン合成量は正常にもどり、シミも消失します

通常のシミであればそのうち無くなってしまうのですが、年齢を重ねたり何らかの原因で表皮のターンオーバーが遅延すると、 正常に排出されずにメラニン色素の消失も遅れ、シミがなかなか消えなくなります
シミができたり消えにくくなるメカニズムが分かれば、シミの予防策や今あるシミへの対策をどうすればいいかが分かりますね。
シミの予防は紫外線の防御が最も重要ですが、日常生活において完全に紫外線を防ぐことは困難ですので(サンスクリーンSPF≧50 でも5%の紫外線は漏れている) ターンオーバーの周期を乱さないようにして生活リズムやお肌をしっかりと整えることが重要です。

シミ・そばかすに効く成分って?

シミ・そばかすの予防に効果的な成分はビタミン類です。
特にビタミンC(アスコルビン酸)・ビタミンE(トコフェロール)・ビタミンB2 (リボフラビン)といった成分は、 「メラニンを生成しろ」という命令を送る「エンドセリン」の受け渡しをストップしたり、 命令を実行する「チロシナーゼ」を阻害したりといった働きをします。 シミやそばかすの原因になるメラニンを大量に生産させないので、シミやそばかすの予防に繋がりますね。

更にビタミン類はシミ・そばかすの予防だけではなく、今あるシミ・そばかすにも効果を発揮します。

・ビタミンC:ビタミンEと協力し、コラーゲンの生成・維持を行う
・ビタミンB2:お肌の新陳代謝を促進する
・ビタミンB6:皮膚の再生を促進する
・ビタミンE:ビタミンCと協力し、コラーゲンの生成・維持を行う


ビタミンC・ビタミンB2・ビタミンB6は水溶性ビタミンのため、身体に貯めておくことが出来ない成分です。
そのため、継続して摂取することがシミやそばかす対策には重要です。
シミ・そばかすに有効な成分について詳しくはこちら

シミの種類ってどういうものがあるの?

シミには様々な種類があること、ご存知でしたか?
人によって出来るシミの種類は様々なので、主なシミの特徴や原因などを簡単にご説明します。

老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)

別名「日光黒子」とも呼ばれる、最も多いシミの種類です。
老人性と書いてありますが、若い人でも発生することがあります。
長期的に日光に当たってしまったことが原因で発生し、顔や背中などのよく日光に当たる箇所に発生します。

肝斑(かんぱん)

肝斑(かんぱん)とは、30〜40代に多く発生するシミです。妊娠時に妊娠2〜3か月頃から現れることが多く、妊娠斑ともよばれます。
紫外線が最も良く当たる額や頬骨、口周りに出来やすく、はっきりシミだと認識されやすいほど明確なシミが出来るのが特徴です。
ホルモンが深く関与しており、紫外線により憎悪します。
肝斑を消すにはトラネキサム酸が配合された薬を飲むことで改善されたというデータが発表されています。

雀卵斑(じゃくらんはん)

雀卵斑とは一般的に「そばかす」と呼ばれるシミの種類です。
そばかすは遺伝性で白人や色白の日本人に発生しやすく、特徴としては5mm程度のブツブツが鼻や頬に浮き上がってきます
遺伝性ではありますが、紫外線の暴露によって悪化してしまいますので、紫外線を防御することがそばかすの予防や対策では重要です。

炎症後色素沈着(えんしょうごしきそちんちゃく)

炎症後色素沈着とは、日焼け以外にもニキビ・虫刺され・やけどなど、皮膚が炎症を起こした後に発生する色素沈着です。
皮膚の炎症によりメラノサイト活性化因子が産生され、それがメラノサイトが活性化し、シミの原因となります。

お肌の生まれ変わり「ターンオーバー」って?

ターンオーバーとは

ターンオーバーとは、表皮の中で行われている新陳代謝のことです。
表皮の中では新しい細胞が日々産まれています。産まれた細胞は様々な役割を果たしながら、徐々に皮膚の表面に上がっていき、最後には角層から身体の外へと排出されます。
古くなった細胞が適度な速度で出ていき、角層の中が常に新しい健康な細胞で埋まっていることが理想のターンオーバーと言えます。

ターンオーバーの周期は?

ターンオーバーの周期(基底層での細胞分裂から角層での落屑剥離まで)はだいたい14〜28日前後と言われていますが、 皮膚部位、年齢や生活習慣などによって短かったり長かったりと個人差があります。
ターンオーバーで大切なのは短さや長さではなく、「常にターンオーバーの周期が安定していること」です。

お肌は乾燥や紫外線などの外部刺激を受けてしまうと細胞が壊れてしまうため、 壊れた細胞を修復しようと新しい細胞をどんどん分裂させます。
その結果、お肌の生まれ変わりであるターンオーバーも通常よりも早くなり、周期が乱れてしまいます。

ターンオーバーの周期が乱れる原因には、紫外線などの外部刺激以外にもストレスや乾燥、寝不足、栄養不足など様々な要因があります。
なかなかシミが消えないと悩んでいる方は一度生活習慣も見直してみてはいかがでしょうか。

豆知識:シミは人間にしか発生しない!?

シミの原因になるメラニンは、人間以外の動物や植物などにも存在するってご存知でしたか?
シマウマやパンダなど、模様が綺麗に分かれている動物は自然界に多数存在しますが、動物では 一部の例外や特殊な部位を省いて、表皮にメラノサイトが存在しないため、 動物の皮膚模様は皮膚表皮ではなく毛のメラニン色素の分布の違いによって決まっています。 シマウマであれば毛にメラニン色素が沈着した部分が黒く、 メラニン色素が沈着していない部分が白く見えるため、きれいな縞模様が生まれます。

人間とは違い、シマウマやパンダなどはメラノサイトは表皮にはなく、毛髪に存在します。
そのため、シマウマやパンダの毛を刈り取ってしまったとしても、肌には縞模様が見えないことが知られています。
いかがでしたでしょうか。シミ・そばかすなどのお肌のトラブルを未然に防ぐには、 どういった原因で発生するのか、どういった発生の仕方をするのかなど、正しい知識を身につけることが重要です。

また、くすりの健康日本堂ではシミ・そばかすに飲んで効く医薬品「ホワイピュア」を販売していますので、 シミやそばかすにお悩みの方は是非チェックしてみて下さい。

【参考文献】

  • 芋川玄爾:表皮色素異常症におけるパラクリンサイトカイン相互作用メカニズム
    第一章:表皮細胞由来のサイトカインが原因する表皮色素沈着の発症メカニズム―UVB/UVA色素沈着、老人性色素斑、老人性疣贅―, 日本美容皮膚科学会雑誌(Aesthetic Dermatology) Vol.25, No.3 303-321, 2015
  • 芋川玄爾:表皮性色素異常症におけるパラクリンサイトカイン相互作用メカニズム
    第2章:真皮線維芽細胞由来のサイトカインが原因する表皮性色素沈着の発症メカニズム
  • 芋川玄爾:表皮色素異常症におけるパラクリンサイトカイン相互作用メカニズム
    第3章:正常皮膚色(人種差および部位差)コントロール,外来ケミカルおよび内因性脂質またはストレス物質が原因する表皮色素異常症のメカニズム?女子顔面黒皮症, アトピー性皮膚炎でのdirty skin,手掌足底皮膚の脱色素,尋常性白斑?日本美容皮膚科学会雑誌Aesthetic Dermatology Vol.26:1〜20,2016
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